当院ではスタッフの急変対応に関する知識と技術の向上のため、毎年研修を行なっています。
元々は全看護師の中から希望者を対象としていました。しかし、近年のコロナ禍の状況をふまえ、参加人数削減のため昨年度より新人看護師のみを対象としています。
今回は1回の研修で講義とシミュレーション演習の両方を行いました。始めに、集中治療室の看護師が講師となり、急変時の看護についての講義を受けました。
その後、講義の内容をふまえ、シミュレーション形式で模擬患者の急変に新人看護師たちがグループで立ち向かいました。
まず新人看護師は事例を読み、「これから自分たちが何を観察し、予想される結果からどんな対応をするか?」を5分間程度で話合いました。
その後すぐシミュレーションを開始し、模擬患者の急変対応にあたりました。
新人看護師だけで構成されたグループです。かなり緊張し混乱もしていた様子でしたが、これで問題ありません。シミュレーションで大切なのは、「課題に対し体を動かしながら、本気で頭を使うこと」です。やることが間違っていてもかまいません。
シミュレーション終了後、すぐに振り返りに入ります。呼吸を整えながら着席し、指導者が事前に用意したいくつかの質問についてグループで話合い、それらに答え、提示された資料で知識の確認をしていきました。 (下の画像は、質問の一例です。)
シミュレーション演習のメインはこの振り返りにあります。シミュレーションで頭が熱くなったところで、即座に資料を用いながら振り返り、短時間で知識を定着させることが狙いです。
今回の振り返りポイントは、急変した原因とその生理学的なメカニズム、一次救命処置(BLS)の流れ、医師への報告の仕方、急変対応中の役割分担などについてでした。
当院は脳外科の急性期病院です。この研修で学んだことが、新人看護師たちの今後の急変対応の基盤になってくれることを切に願います。
教育委員会